[見知らぬ相手だとしても、恩は巡り巡るものだ。今自分が出来ることをする──だからひと助けに躊躇は無かった。事情は分からないし詮索する気もない。しばらくして身体を起こした相手を安心させるよう、男は親しげに声を掛ける。] やぁやぁ。目が覚めたかい? 君は、俺の家の前で倒れていたんだ。 とりあえずゆっくりしていくといいよぉ。 腹が減っているならご飯もあるし。 うちの野菜は美味いからさぁ、ぜひ食べてってよぉ。 [最後、ついつい強調したい気持ちが表に出た。]