あのね、星司、ボク、子供の頃から、良く見てた夢があるんだ。[そして、話し始めた言葉は、唐突に聞こえたか]綺麗な翠に光る風が、どこまでも走っていくんだ、ボクの知ってる風景や、全然知らない風景、いろんな場所を、真っすぐに。ボクは、その風を追いかけて、どこまでも追いかけて、いつのまにか、風と一つになって走ってる…そんな夢。[目を閉じて、吹き抜ける風を感じる。夢の中の風を思い出すように]とても楽しくて、幸せで…だから、目覚めると、なんだかいつも寂しかった。