──── 回想 第2エリア 通路 ────
[ 落ち着かないからと部屋を出て
自然と足が向かったのはメイン・サロンの方向。
"じんろう"に殺された人の事を聞こうと
無意識に人の集まりそうな場所へ向かったのかもしれない。
そして、通路のちょうど曲がり角のところで
真っ赤なパーカーを着た男性と出会った。>>77
こういった曲がり角は主人との接触を避けるため
奴隷はいつもより神経を尖らせる癖がある。
だから男性は驚いたようだがこちらは予測できていて
驚く事も表情を変える事もなかっただろう。
しかし、声をかけられれば話は別だ。
きょろきょろと周りを見渡し────間。
そこに自分と男性しかいないと分かれば目を丸くして
すっと床に膝をつき頭を下げた。
メイン・サロンで髪の長い男性と話していた時
こちらを見ていた男性だとは気付かぬまま。>>2:166 ]