[それでも、同期相手に負けはないと思えるくらいの自負はあった。
ましてや、相手が兵役前の若者なら]
[しかし、一度だけ意表を突く一撃からの勝利をもぎ取られたことがある。
それがあの、カレルとの一戦だった>>76]
――……くそっ!
[審判役がカレルの勝利を宣言した時、思わずそう吐き捨てたのを覚えている。
基本的に、真摯で教えに忠実な印象を持っていた青年だった。
『意表を突く』にしろそれに繋がる剣技は、自分たちが教えた型の範疇に納まるはずで]
誰に教わった?
[また叱っていると誤解されるだろうかとも思いつつ、そう問いかけた*]