ひッ、……う、う。[いきなり肩を叩かれ、叫び出しそうになる>>87けれど、叫んでしまったら見つかってしまう。悪意の獣に追いつかれてしまう。だから必死に声を呑み込んで、歩み寄る人物を仰ぎ見た] シモン、……さん。[名を呼び見上げても。少女の瞳はシモンを映してはいない。どうして良いのか分からないまま護符を握り締め、小さく震えている]