…あの馬鹿。
なにが人狼なんて大げさ、だよ…。
[悼みと痛みを込めた瞳で、ヨアヒムの耳には届かないくらいに音で、ポツリと零し。
すぐに無理やり気持ちを切り替えると、ヨアヒムの話に頷きを返した。]
この島…。確か昨日聞いた話では。
お前とペーターと、パメラとディーター…そして俺か。
[一人一人の顔を思い浮かべて、ため息を付く。
十年前の再来と思うと、やりきれない。
あの哀しい猜疑の現場を覚えているから、尚更だ。]
分かった。俺は一度ゲルトの様子を見に行こうと思う。
お前はそれを教えに来てくれたのか?
[暗にそれで用事は済んだのかと問いかける。]