― 嵐のあと ―
[集会よりも風花祭よりもさらに前。
沖の方で妙に風がざわついた日があった。
大きなものが空を飛んでいるのを見た。
そんな証言もあり、情報収集を兼ねて主に漁村へ啓蒙活動、護身術指導に回っていた時のことだ。
ある村で村人が1人の男を連れてきた。
数日前、海岸に流れ着いたのだと言う。
話を聞けば、それは驚愕すべきものだった。
外の国から、空を飛ぶ船でやってきたのだと言う。
それも、正式な外交使節を乗せて。
漁民らに男の保護を任され、
衝撃にめまいを起こしそうになりながらも
ひとまず男を伴って学館へ行くことにした。]