良ぃい匂いがしますねえ。
香ばしく甘たるいお菓子の焼ける匂い。
[視線は自然クリームやジャムを乗せた、甘い部類に引き寄せられる。
見慣れぬ聖職者の姿に、瞳を瞬かせながらも案内に来た青年を見て、にこお、と柔らかく笑顔を浮かべる]
どうも、始めまして。
おれ――おぉっと。このパン、良いチーズ使ってますねえ。
失礼。僕は、ジムゾン・フォーゲルシュタインと申します。
今回の夏至祭に合わせ、この村に参りました……
……所謂派遣神父ですね。えぇ。
このチーズパンを下さいな。ああ、荷物は自分で。
[ゆったりと案内された席に腰掛けながら、旅装の荷物はやんわりと、席のすぐ隣へ置いた>>91]