お土産に今回は、水瓶を持って来たのだけれど 気に入っていただけるかしら[掌を上向けると、バサリ、羽音と共に空間を鴉翼が叩き、白磁の瓶──水鏡を覗き込む水仙のように白く、極めて薄く焼かれてなお硬質な磁器を差し出した。ころころと喉を鳴らす] 無地だから、華やかな貴公には退屈やも知れぬけれどね 口までを血の甘露で満たせば、薄紅に透けて模様が浮きでるように細工したの ちょうど──[ふわりと振り返り、黄金の鳥籠を見つめた] 満たすに良い血はあろうか