― ゾネス要塞・白狼館 ―
・・・よく来たなドロシーブライアン。
[館の奥にて行われた着任報告。
新しく騎士団に入る新人を前にアイリは玉座に腰掛けて聞く。
入団となるときアイリの目は厳しい目となり足の先から頭の先まで執拗に落ち度を探す。その敬礼、身だしなみ、アイリにとって騎士団とは完璧でなければいけない。
落ち度一つ許さぬ高い基準は新人に早速向けられた。]
・・・ふむ。入団の話は聞いておる。入団は許可しよう。
だが、憧れ?光栄??貴様は何か勘違いしているようだ。
[その身なり、態度はどうやらアイリの基準をクリアしたらしくあっさりと入団は認められた。
しかしアイリは詰め寄る。入団したものは最初に厳しい詰問が待っているのだ。あろうことかこの目の前の新人はアイリの前で言ってはいけないことを言ってしまった。]
ゾネス要塞を守っているのは我々騎士団だ!
このたわけが!我々が守られているとでも言うのか!
我が騎士団に入団したからには掟というものがある。
言い聞かす故、心して聞け!
[怒鳴り声、それはある意味、いつもの光景とも言える。浮かれた新人がまず受ける洗礼は、大なり小なれど、その日は特に厳しいものとなった。アイリは玉座から立ち上がると、コツコツと軍足の音を鳴らしながら近づき。眉間に皺を寄せた。]