>>87―茶会の間―[銀髪の少女が宙空からふわりと現われ、降り立った。主なき玉座に掛けていた時とは異なる印象を与える姿。薔薇色の頬に、豊かな表情。興味深げに室内を見回していた。]私の知らないあなた。けれど、私の知るあなた。貴方は誰かしら?[瞳の紅色も沈み落ち、深い黒の双眸で扉を見やる。テーブルにはいつの間にか、数人分の茶器が並べられていた。――紛れもない、豊かな血の匂いを漂わせたポットと共に。]