─ 現在・自宅 ─
ッあぁアァアア──!!
[昔の夢を見たことによって右腕の痛みを思い出す。
痛みに引きずられるように目を覚ませば、
そこは煙が上がる戦場ではなく、見知った家屋の中。
荒れ果てた室内には大量の酒瓶が転がっており、それらはすべて空っぽだ。]
またあの夢かよ… ッチ
[激しい動悸をごまかすように舌を打ち、今はもうない右腕をさする。
二日酔いによる頭痛もするが、それにも増して酷く疼くのは寒さの所為かと、窓の外を睨みつける。
忌々しい痛みに再度舌打ちを放って、男は鎮痛剤を打った。]