>>89>>90 ローズ
[顔にかかった雪をはらっていると、相手の表情が一瞬だけ心配そうに曇った。この街で生まれ育った男には雪は珍しいものでもなく、寒いのは苦手だが別に顔に雪玉がぶつかるくらいどうということはない]
雪なんて面倒なだけだろう。
……まあ、今回はこっちから仕掛けたからな。
[此方は大丈夫だ、と暗に告げて。折角作った雪兎が壊れたことは、若干申し訳なく思いつつ。
薬代を辞退されれば、眉を寄せて困惑したような表情を作る。相変わらず、笑顔の彼の額に封筒は押し付けたまま]
そうは言っても、お前、店主なんだろう。
適当な運営して行き詰っても知らんぞ。
[実際、身近に大味な経営者がいるので、何となく不安になる。まあ、彼は確りしているように見えるので、大丈夫だとは思うけど]