── 回想:テオドール死体前 ──
[ どこから見られていたんだろう、ぼんやりとそんなことを思い。>>77
息を呑む様子。
それに、震える声で尋ねられれば、こくり、ひとつ頷いた。
そんな、嫌だ、嘘だ、と心の声が聞こえてくるようだった。
内心ははかり知り得ないものの。
呆然と瞠る瞳に、心配そうに眼を細める。
彼の"太陽"であるとは知らず。
太陽を眠らせる夜。>>1:308
太陽を抱きとめる青褐。>>5:224
瞳を失ったとて、その"青の深さ"は変わらない。 ]
……ああ、
たいしたこと、ないです。
[ 首の傷を聞かれ、そういえば、と気付いたように、ぬるり、と首の血に触れた。
自ら傷つけたとは述べることなく、赤に染まった手を、ぼんやり、眺める。
それでも、覗き込まれた翡翠に、少しだけ、微笑んで見せて。 ]