[無意味な独白が終われば、青年は漸く狐が意識を取り戻していたことに気付いた。]やあ、起きたか。俺の友人が燃えてしまうから、その焔は控えめにしてくれ。綺麗だけど。[くすりと笑うと、頬を舐める舌も特に抵抗無しに受け入れる。青年は揺れる尾をじいっと見つめながら言った。]躊躇うことはないよ。言った筈だ、「あなたが危ない目にあったら駆けつける」と。お前は何も悪くない。おいで、可愛い子。[それを言い終わるやいなやであったか。青年の首元に牙が突き立てられるのは。]