― 朝 ―[いつもより遅い覚醒は、銀嵐の中捜索していたせいだけではなく。 眠い頭で、アルビンもフリーデルもいなくなった今、どうするべきか考えつつ、身支度を整え部屋を出た。 鉄臭い嫌な臭いが鼻を擽り、男は足を止める。]……上、か。[心底うんざりといった面持ちで、男は階段を登っていく。][階段登ってすぐの部屋。 誰の部屋だったかと思いながら男はノブに手を掛ける。 鍵のかけられていない扉はあっさりと開いて……。]