[先刻の自分同様、城の外へと投げ出される身体を宙で受け止める。伸ばされた手の強さ、確とした質量、そして温もり。両手に抱いて、少しずつ高度を下げながら滑空する。すぐ後ろを、すさまじい破壊の力をもつ灼熱の束が突き抜けていった。時ならぬ朝焼けに、鳥たちの群れが一斉に羽搏く。白い翼は、その中に包み隠された。]