―Nルーム―
[Nルームに着いたなら、
医療について深く心得のないダーフィトは
カークの作業をただ横から眺めていただろう。>>73
運ばれる間とは違って、
装置の中で眠るマリエッタの顔には苦痛の色はない。
そのことに少しの安堵が過ぎった。
おやすみと呟いた友人の声につられるように、
ダーフィトもまた、心の中でおやすみと囁いただろう。]
…聞こうと思ってたんだが、お前はさ、
誰かに医務室を探られる心当たりはねえの?
[静かなNルームの中で、不意に。
廊下では聞けなかった質問を、声にした。
色々と考えては見ても、結局、
マリエッタを襲撃した(と思われる)人物が
医務室を漁るような原因は思い当たらなかったのだ。]