― 記録・ディーク ―
アイツ、いくつなんだ。
「あー…えっと――。」
[大まかな年齢を誰かに聞いたなら、は?と間抜けな声が出ただろう。
確かに、そんな小さな体つきではなかったように思うけれど、言動は子供のそれだったから。あまりにもちぐはぐで、テオドールは何度か聞き返したけれど、回答が変わることはなかっただろう。
それでも、彼のなに、なぜ、どうしてを無下にすることもできなくて。
自分が兄や姉にしてもらったように、律義に答えてしまう自分がいて。
確かに騒ぐ子ではなかった。暴れたりするわけでも。
心臓部として重要性は理解していたんだと思っていたけれど。
まさか、その心臓部に氷をぶっかけられる>>2:464とは思いもせず。
目を離したことをエンジン全員がテオドールから怒られたし、テオドールは当時の機関長にこっぴどく叱られた。
機械部分は見事に台無しであったし、ある意味、エラー音が鳴りやんだのは言うまでもない。]
「ここにセイザしてなさい。」
[そう言ったのは、当時の機関長だっただろうか。]