― →上空 ―
イシュケ。
[名を呼べば、イシュケは青年を見つめた。
彼らが風の煽りを感じない場所に誘導し、降り立ったその背中に乗りこむ。
手綱を握りしめると竜は自身の羽を動かし始め、群青色の竜の足は地面を離れた。
最初は緩やかに、段々と速度を上げて結界の付近へ。
>>77仔竜は魔法生物の一匹がいなくなったのに気付いたらしく、周囲を見回していた。
魔法生物の中にはまだ跳ねているものもいただろうか。
結界に弾かれた反動で緩やかに下降する魔法生物を捉える。
モップのような毛がふわふわとなびいていた。]