― 花屋の近く ―[総菜屋の休憩時間、花屋に足を伸ばす。だが、真っ直ぐ店には入らない。近くの本屋で立ち読みしてみたり、意味もなく路上を歩き回ってみたり、そっと電信柱の影から花屋の様子を窺ってみたり、十二分に不審人物っぷりを発揮していた。要は、花屋に入るのが気恥ずかしいだけ。]