うん、……見た目通り。優しい味がする。ありがとう。[と、イシュケと挨拶するようにクルルと鳴いていたウンブラが、興味深そうに、もとい、お菓子を食べたそうに少年の腕にすり寄ってきた。竜が食べられるやつはこれかな、とミヒャエルにも確認を取ってから鈴カステラをひとつ与えれば、あっという間に平らげてしまった。穏やかな時間が流れていた。それは突如、破られることになる。>>#1もっとも少年は、聞こえた甲高い声を雑音には思わなかった。天から降る歌声のようだ、とは思ったが]