―朝・パメラの家、自室―[寒さにふるり震えて、眼を覚ます。ベッドから降りてショールを羽織り、窓際に歩み寄って防寒用の木戸を開ける。鉛色の空から降り続ける雪は、未だ止む気配を見せない。夜のうちに雪は堆く積り、村は完全に雪の中に沈んでいた] ご飯食べたら、雪かき、しないと……。[誰も見ていないから重労働を厭い、小さく溜息を吐く。村が外界から孤立してしまっていることを、リゼットは知らない。だから、暖炉に火を起こして、朝食の支度を始めた。――いつも通りの今日が続くと疑わぬままに]