―回想―[高校生活にも、大分慣れてきた頃。放送委員に所属することになって、日々部活とは別に、自分の担当する日に流す原稿を作る作業に追われることとなった。クラスでは明るく振る舞っているし、誰とでも仲良くは出来る。だが、決して目立つ方ではないし、むしろ人前に出るような行為は恥ずかしくて避けてきた。それでも放送委員となったのは、テレビ越しに見える姿への小さな憧れのようなものからだった。]