― 中庭・鈴カステラの屋台 ―
[屋台の裏で相棒は日光浴をしている。
先程まで修練生の幼竜にじゃれられて尻尾で応対していたが、寄り集まるように竜の塊が出来ていた。
正面ではカステラを焼く甘い香りが漂っている。
ボウルに生地の材料を入れて混ぜていると>>80騎竜師学科の教官が屋台に顔を出した。
白緑の相棒もその傍らにあっただろうか。
青年は背筋を正して一礼する。]
あ、教官。こんにちは。
「教官、いらっしゃい!」
「竜用もありますよー。」
「ノーマルと、四色カステラセットもいかがですか?」
「種類もあるんで沢山買ってって下さい!」
ちょ、ちょっと待て。
[口々に生徒達が話しかけ、売り込みを始めるのに目を白黒とさせたが、教官は慣れた様子で応じている。]