[ディークは赤児の頃にレオヴィルの教会の門前に捨てられて12歳になるまでそこで育った。
額に青い目の形をした痣が浮かび上がるに及んで修道士には不向きと俗世間に出された身だから、祈祷にどれだけの力があるかはわからないが、死者にとって害になるものでもあるまい。
身ぐるみ剥がれた死体は、傭兵が二人一組で担ぐ丸材に刈り取られた小麦よろしくかけられて、後方集積場へ向うことになる。
傭兵隊の後ろから、死者の軍勢が、うぞりうぞりとやってきていた。>>63
その光景と匂いとに怯む傭兵も少なくない。
敵味方を問わず、生理的な嫌悪と恐怖を呼び覚ます群れなのだった。]
「魔将軍様の御用だ!」と威張っていけよ。
命令どおりの荷を運んでいるんだ、 戦線離脱とは言わせないぜ。