― 医務室 ―
[“燭台”、“皿”、“兎”。
聞こえてきた単語に虚を突かれ、もしかしたら自分が何か他の星の言語を聞いたのではないかと、どの惑星の言語に切り替えるべきか悩んだ。>>77]
……はい?
[自分はお呼びではない話題とは分かっているが、思わず声が出てしまった。
ハダリーがカークに対して何かの疑念を持っているというのは、聞いていた。>>4:126
カークの個人情報が高度な機密であるらしいということも、そのとき知ったのだったか。
……窃盗? え? そういう話?
ああいや、それはねえと思うんだけどな。特に根拠はないけど。
ありゃ、むしろ足元の常習犯に薬やら何やらかっぱらわれる方だわ、と。
当人の零した溜息もその表情も、謂れのない因縁に、軽く辟易しているようにも見え。
ただ、ハダリーの方も、ふざけている様子はまるでなく、彼にとって大事なことを言っているようでは、ある。
……何がどう拗れたのかは知らないが、縁があるのは確かなようだ。]