左手はちょっとまだ……。
でもトルメンタと一緒なら大丈夫です。
[流石に折れた骨は簡単にはくっついてくれない。
それでも発熱は治まってきたし、半身とも言える竜と共に動くのならそれなりに動けてしまうのは本当だ。
無茶をしてるつもりは、本人には、ない]
分かりました。
ここまでにも敵兵らしき影はありませんでしたし、あまり高度も上げないで戻ります。
[戦場からはぐれてしまった兵もいなかったから、同じルートを通れば大丈夫と請け負って、ファミルの体に手を伸ばした。>>87
リーゼロッテと共に飛んだ時のようにではなく、膝の上に乗せてもらうような形で。吊ってあった包帯を外せば、左手だって指先での指示は出せる。右手でそっと、けれどしっかりと抱えて]