[>>83 響く鐘の音。王城から視線を外し、市街の中程にある塔を見上げる。早鐘でもなく、数も多い。街の人々も戸惑いを浮かべているようだ。]……おや、なんだろうね。何か知ってるかい?[問いかけてみるが、答えはあっただろうか。]まあ、道は自分で選ぶもんだ。気が乗らなければ、便箋代わりにでもしておくれ。"Dum fata sinunt vivite laeti.《運命が許す間、喜々として生きよ》"[別れの挨拶の代わりに古い言葉を添えて、青年に背を向ける。いつかまた巡り会えたときには、鷹と連れ合う姿がみたいものだと心の片隅で思いながら。**]