長く偽っていてすまない。
そうせざるを得ない事情があったと理解して欲しい。
……本当はこのまま偽り続けることも出来たのだが。
それでは皆を裏切ることになると気付いてな。
先ずはお前達にだけ、明かすことに決めた。
[瞳を伏して、謝罪を紡ぐ。
明かすことにした理由を紡ぐために、少し考えるような間が空いて。
軽く呼吸を整えてから唇を動かした]
偽ったまま、いつか兄と入れ替わった時、兄の言動は皆を大きく傷付けかねない。
恐らくは信を徒で返すようなことになるだろう。
それだけ、私と兄の考え方は異なるのだ。
私と共に歩んでくれた者達を傷付けたくはない。
だから、未然に防ぐため、こうして正体を明かさせてもらった。