[ 一方、《竜骨》が動いて開けた東への空間の先には、小さな要塞のように箱型連弩が4機ある。かの盾の群れを蹴散らすには、城破槌でもぶつけたいところだが、無いものは仕方ない。それでも、人力で扱うのとは格段に威力も太さも異なるクォレルが、水平二列十連の発射機構からティルカン歩兵に放たれた。さらに上から長弓の矢。音程を異にした、空気を裂く音が草原を渡る。折しも、西から風が吹き始めていた。湿った冷たい風だ。*]