― 魔王城跡地 ―[大気を踏み躙り、滑るような下降は崖を下るよう。 遥か下方に見えていた瓦礫の山が、王城の面影を残すまで近づけば、四足に減速を掛け、辛うじて残っていた玉座の傍に着地した。 屋根は無く、晴天の光が降り注ぐ廃墟と化した城。 そっと、身を低くして王の帰城を果たさせ。] ――――…魔王様、[そうして、彼が地に降り立てば、頭を起して咽喉を揺らす。 ずっと抱えてきた不安も、今は然程恐ろしくなかった。]