[一方で、手薄になった町や村からは、人々が次々と脱出していた。錯綜する噂の中でも王子を信じ続け、機会を得て駈けつけようとするものたち。「南半分を取り戻した>>49」との噂に、王子側にも勝ち目があるとみて心を決めたものたち。人々もまた、南へと向かう。中には、魔物が行きかう中で身動きの取れなかった正規兵の生き残りも、警戒が手薄になった隙をついて王子へ合流しようと動き出していた。]