[ああ、ほら。
やっぱり触れなければ良かった。
光を反射して落ちる涙はダイヤモンドの粒のようで、こんな時なのに綺麗だと見とれてしまう。
今まで、一夜限りの相手にこれほど心が乱されることは無かったと言うのに。]
ジムゾン……、泣くな…よ
[頬を伝う涙を見ただけで、嘘で固めた心の仮面は粉々に崩れ落ちていく。]
我慢…出来なくなる…、だろ…
[震える指で涙を拭い、それでも涙を止められない目蓋にそっと口づければ、心は堰を切ったように溢れ出し。
脆い堤防が決壊する音を聞きながら。
力一杯ジムゾンを抱きしめた。]