― そして翌朝 ―[銀嵐時の司書の朝は遅い。目覚めてもすぐにはベッドから出ず、布団をかぶってだらだら、温かい一時を過ごしているのが常だ。だがこの日は違った]…………。[跳ね起きるとすぐに、昨夜の結果を確かめようと机に近付く。マグカップの中をのぞきこめば、紅い水面に白い光がゆらゆらと揺れているのが見えた]なんだ、人間……。考えすぎか。[ため息を落とし、ベッドに腰掛けたその時。部屋の外が騒がしいことに気付いた]