お前の――……[理由など知るか、と叫ぶつもりだった。 負けられないのはこちらも同じだし、子の存在を知ったところで見逃そうとも思わない。 けれど――冷血非道と見えていた相手にも、国や子を思う感情があったのだと。 感慨のようなものを得た瞬間、振るわれた左腕により槍を握る右手が強く引かれた] ぐっ![僅かでも相手に届く可能性を上げようと、無理に右手を伸ばしていたのが災いした。 右側へほぼ転がるような形で、体勢が崩れる。 そして唯一の武器である短槍も、手の内を滑り抜けていった*]