― 回想・街中にて ―[露店の軒先で品を眺めていた時の事だ。不意に背後から声を掛けられた。気づかれずに背後に立たれるなんて事、まずはないのだけど。一度目に会った時は、やはり気配に気づかずにその場を通り過ぎようとしていた。そして、二度目。振り返ってまず目にしたのは、若草色の髪と大きな瞳。あどけなさが残る、少女のような容貌] ……あなたは。[わたしたちは雑踏に紛れ、しばしそこで会話を交わした。*]