[まるで、自分はどうなっても構わないとでも言うような言い回し>>84には、あえて何も言わず。
図書館に入ってからのクララの言葉>>85を黙して聞き。
特に怯えるでもない真っ直ぐな返事には。僅かに哀しげな表情を浮かべるが。答えそのものはしっかりと]
……解った。アンタに覚悟があるなら。
……とは言え今夜までってんじゃ、正直大したことは教えらんねえ。だから、可能な限りポイント絞るぜ。
[そう言って。
目を使わずとも、聞こえるものだけで十分に効果が出るように。
正面切っての戦闘では恐らく勝ち目はないから、相手に不意討ちを掛けることだけに念頭をおいて。
相手を見つけたら自然に得物を鞘から抜き、相手の背中の急所を突き刺すことだけに絞って、教えていった。
彼女が目よりも耳に頼っているのは、ある意味では好都合であった。
不意討ちを掛けるに当たり、相手よりも耳が良いというのは、視力のハンデを補って余りあるからだ。
もっとも、耳の良い獣相手には何の役にも立たないかもしれないが……そもそも、彼の目的は、獣に使わせるところにはなかった。
暫くの間、そうやってナイフの使い方を教え……そしてもう一つ、必要な事を告げる]