―― 中庭・鈴カステラの屋台 ――
[たっぷり10秒くらいは屋台の外観をきょろきょろと見回した後、
青年は売り子をしている生徒に声をかけようとしたのだが、
それよりも目当ての人物が声をかけてくる方が早かった。>>62
やっぱりこっちにいたか、と予想が外れてなかったことに一安心]
……色々あったんなら仕方ない。
で、 ……いいのか? これ。
[これ、というのは差し出された袋の中身である。
様々ないろの丸くてころころしたお菓子は、目の前の屋台で売られているものと同じ。
念押しするように問うたが、結局受け取ってひとつを食べてみた]