人狼物語−薔薇の下国

340 下克上の服従試験


猫目 コンスタンツェ

ー村郊外ー

[木製の車輪が岩肌に乗り上げる。
荷台が揺れた拍子に、側頭部をしこたま打ち付けた。

目的の村の近くを通るから、と乗せてもらった荷馬車だ。
文句は言えまい。
ジンジンと痛む頭を抑えながら、猫のように丸めていた上体を起こす。

すん、と鼻を鳴した。
渓谷が近いせいか湿った匂いの空気を嗅いだ。
地鳴りにも似た荷車の振動が身体の芯を震わせる。

これは、鳥と、鱗と……屍の匂い。
小気味良く鳴った、これは、何かの骨が折れる音。

首をきょとりと回す。]

 リヒャルト。

(90) 2015/06/01(Mon) 21:34:04

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