――…
永く生きる星は悲しいだろう、と話したことがある。
どれだけその身体に、雪が積もっては溶けを繰り返して。
亡骸が積もるのだろうと。
[最初に見たとき、どうしてか、遠く長い年月を思った。>>0:103
まあ、恐らくこの男は気付かなかったのだろうな、と思う。
此方から語ることも悟られることも、ないようにしていたのだから。
周囲のことばかりを気にかけて、一人ひとりに心を砕き、始終走り回っているようなその姿を、恐らく此方は呆れて見ているだけとでも思ったのだろう。
その周囲には、通い合う手や、寄り添おうとする手や、信じ合える手が、いくつとなく、見えていたので。
まだ辛うじて“ひと”だった――それでいて、そのいくつもを断ち切ったことを無意識に感じている、その青年は。
語られるその惑星の思い出に、どうしようもなく遠い向こう岸で耳を傾けながら。]