[求められれば、...は淡々と説明するだろう。
23歳で爆弾テロに遭い瀕死の重傷を負ったこと、
全身の損傷が酷いためにサイボーグ化手術を受けたこと、
数年がかりの手術と、苦痛を伴うリハビリのストレスが
原因と思われる記憶の錯誤・混乱が何年も続き、
ついには生活史全健忘――いわゆる記憶喪失――の状態に陥ったこと。
メンテナンスや部品の換装は定期的に受けているが、
基本の技術は20年前のものなので、
戦闘力に関してははほぼ一般兵並みであること。]
技術的には機密も何もなかったのですよ。
だからこそ、軍を退職してダンカン様の執事に……。
[と、付け加えた。]