……。
[それで、彼を怨むのはお門違いだと分かっている。
なぜなら、妹を、莉紗を直接殺したのは犯人の男だし、時羽流くんを誘惑したのもその男だ。
幼かった彼が責任を感じてしまうのも致し方ないけれど、例えそこに時羽流くんがいなかったとして莉紗が無事だった保証はない。
だって、男が殺したの莉紗だけだし、莉紗が警戒してたとしてもあの手この手で自身の目的を達成しようとしていただろう。
莉紗を売ってしまった形になったのも、見殺しにしたようなものになってしまったのも、今までずっと話せなくなってしまったのも結果。
もしもの世界に希望を持つのも、私も持っているから仕方ないと思えるけれど]