人狼物語−薔薇の下国

329 絶海島奇譚


カーク

あっほらし

[いかにも幼稚で莫迦な手紙。
続いてもうひとつ。あいつの名前が書かれた瓶を取り出す。
故人の秘密を暴くのは気が引けたが、他に見る者もいないし。
何より、知りたい気持ちには抗えず。]

――…、まじか……

[震える指で開いた先にあったのは、己にあてた恋文だった。
ひとつひとつ文字を辿っていくうちに、視界が緩み。

ぽたりと、古びた紙の上に雫が落ちてインクを滲ませる。]

そっか……おれたち、両想いだったんだ

[拙すぎて瓶に詰めることすらできなかった初恋。
知るには遅すぎた、想いの先に。
胸の裡でありがとうと告げると、またひとつ涙が落ちた。]

(89) 2015/05/01(Fri) 01:19:20 (CHiKA)

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