人狼物語−薔薇の下国

389 ルー・ガルー戦記 8 〜海峡攻防戦〜


船を愛する領主 ウェルシュ

 姉さんは……

[暫し姉の顔を見つめる。
戦地のなかでの死というのに、まるで眠っているかのようだ。
その表情は美しくて、儚い。
抱き寄せていた姉の身体をそっと甲板へと置き、雨に濡れぬよう、上着を被せてやった。]

 僕は……
 姉さんを、家に連れて帰りたいよ。

[本当は帝国側の交渉が必要なのかもしれないが。
ウェルシュは自分の願いを端的に、そう伝える。]

 ――――……っ、

[立ち上がろうとしたとき、軽く眩暈が起き、脇腹が痛む。
思わずヴィクトリアに寄り掛かろうとしたが、両脚でふんばり、己が力のみで立ち、歩く。
もし彼女が心配そうな顔をしたらならば、大丈夫、と一言頷いただろう。]

(89) 2015/11/10(Tue) 21:53:55

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