[ 《竜骨》を再びその前に出すことはせず、《狼牙》と同様に南へと躱すように動かす。そこへ、離れたことで味方を誤射する危険がなくなったとばかりに、矢が降り注いだ。>>83疲労もあいまって、盾を上げられずに射抜かれて膝をつく兵も少なくない。矢の洗礼をしのいだ兵は、一丸となって騎兵が守る弓兵隊へと襲い掛かる。馬の足を刈り、鎌槍をひっかけて騎手を落とさんと。前に出た歩兵隊と入れ替わるようにして《五月》がタイガの護衛についた。]