[ただ一点に押し寄せる魔物の数とその戦意は、騎士団の精鋭をしても防ぎきれなかった。逸る気持ちのあまり、突出しすぎていたこともあった。ひしめく魔物を薙ぎ払う腕は次第に痺れ、返り血といくつもの傷とで体は真っ赤に染まる。受ける傷の数は加速度的に増え、そしてついに―――] あ ……… …[胸を貫いた槍に、息が止まった。]