― 回想・王都の兵舎にて ―
[上官と外務長官の執務室を出てから兵舎へと移動する。>>28
軍の中で既に通達されている通り>>1:229に、王の間での一連の出来事が伝えられ、しばらく王都に滞在する決が下された。
有事には集結して事態に備える必要があるが、少なくとも文書の真偽が明確になるまでは待機状態が続くだろう。
見張りや伝達係、親衛隊でいえば総督の護衛を交代で行いながら、合間にしばし休暇を過ごす事になった]
では、お気をつけて行ってらっしゃいませ。
[ラバル家へと向かうというアイリ総督の背を見送ってから、わたしは踵を返して街の中へと向かう。以前城下町を訪れたのは今より一ヵ月前のことだ。
王の訃報を受けて、人々は今どのように過ごしているのだろうか]