[しばらく後、城の書庫の奥で見つけた本で、「昔、悪魔が作った塔を、偉大な魔術師だか大いなるドラゴンだかがが引っこ抜いて地面に逆さまに埋めてしまった」というエピソードを読んでから、なんとなく忌避の気持ちが強くなって、足を向けなくなった。エディにも、一人で行っちゃダメ、と約束させて、危なくないように入り口も漆喰で埋めた。その後、一度だってあの場所のことは話題にのぼったことはない。封じられるべくしてしまい込まれた記憶。 ただ、迎えにきてくれたエディのぬくもりだけを思い出に残して。*]