[最後の力を振り絞り、フレデリカは『少年』の喉元に腕を伸ばした。指が、シャツの襟元にかかり――] [ ぷ ち ん ][ボタンが弾け跳ぶ。傷ひとつない『少年』の喉元を見て、フレデリカの表情が歪んだ。薄く残っていたはずの痣の痕。それが綺麗に消えていたのだから。ああ、この顔だ。この顔が見たかった。にぃ、と邪悪な笑みを深くする]